昔は魚を包丁でさばくところから手作業で行っていました。
現在、多くの工程が機械化されています。
主原料も生のグチではなく、冷凍すり身が使われるようになってきました。
かごせいでは小田原蒲鉾の伝統を継承し、創業以来の味を守り続けていくため、グチ100%にこだわり、昔ながらの手法で手造り蒲鉾「鳳凰」として、作りつづけています。
採肉された魚肉を水に晒します。この水晒しは魚臭さや脂分を取除く効果があり、最も重要なのは蒲鉾の“いのち”である弾力を出すのに不要な水溶性タンパク質(水に溶けるタンパク質)を取除くことです。この水晒しの良し悪しにより、出来上がった蒲鉾の弾力や色の白さが大きく変わります。水に晒す時間や回数は、その日の魚の鮮度や脂ののり具合、魚体の大きさなどで異なり、良い蒲鉾を作るためには長年の経験とカンが大変重要となります。水晒しされた魚肉は脱水されます。
ここまでの工程は前工程というもので、昔はどこの蒲鉾屋さんでも行っていました。しかし、冷凍すり身が主原料となってきている現在、生の魚にこだわり、自らの工場ですり身の工程を行っている蒲鉾屋さんは少なくなっています。

魚肉を丹念にすり込み、味付けをしながら命を吹き込んでいきます。擂潰にかかる時間や食塩や調味料を入れるタイミング、すり具合等は、その日の魚肉の状態や気温などにより異なるため、ばち屋と呼ばれる最も熟練した職人が担当します。

裏ごしされた身は、付け屋と呼ばれる熟練した職人の手によって板に盛り付けられます。小田原蒲鉾の特徴である優美な地紙型(扇形のこと)に成型するためには、スピーディーな熟練した技が要求され、そのスピード、手の動きは圧巻です。板付けおこし、中掛け、ハナ掛け、上掛け、小口切りといくつかの工程に分かれていて、一人前の板付けが出来るようになるまでには、10年はかかるといわれています。

